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家でビールを作る手順

家でのビール作りもなかなか手順が多くて複雑なのですが、ここではかなり簡略化されたBIAB (Brew in a Bag) という方法を紹介します。これは鍋とメッシュの袋があれば出来る、という事でオーストラリアあたりの人達が始めた作り方です。

ここでは麦芽のみを使った方法を紹介します。麦芽糖を使った方法だと、マッシングは基本的に必要ありません。

基本的な材料は、水、麦芽、イースト、そしてホップです。

1。マッシング(麦芽の澱粉を糖化)
麦芽の酵素はある程度温度を上げると麦芽の澱粉を糖に変え始めます。細かい事は分かりません。澱粉が糖分に変わるとイーストの糧となり、結果的にアルコール分となります。

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こんな風に、鍋の温度を約67度に保ちながら、一時間半程待ちます。67度未満だとイーストが消化できる糖分、つまりアルコールに変わる糖分が多く発生し、68度以上だとアルコールに変わらない糖分が多く発生します。高めの温度でマッシュすると、糖分が多めの「重い」ビールが出来上がります。67度だと割とバランスのいいビールが出来ます。

酵素が頑張って澱粉を糖化出来れば、麦芽の入った袋をざぶんと、熱めのお湯につけます。これは麦芽にくっついたままの糖分を洗い落とす為です。実は伝統的な手法だとこの麦芽を洗う手順が色々あって面倒なのですが、BIABだとお湯の中でゆすぐだけで終わりです。マッシングで出来た甘い麦芽汁はウォートと呼びます。私は麦芽汁と呼んでます。

マッシングが終わると、次はボイルです。煮るだけです。

煮る理由はまず、1:ホップから苦みを抽出する、2:マッシングで使った水の分量が最終的なビールの分量より多いため、煮詰めて水分を飛ばす、3:煮る事で殺菌する 4:激しく煮るとビールが曇った色になる原因となるプロテインやなんやらがくっついて、除きやすくなる といったとこでしょうか。

ホップを入れて煮まくります。ホップは煮るのが長いほど苦みのみが抽出され、煮る時間が短いとホップの味や香りが麦芽汁に移ります。家の中がホップ臭くなります。私のタオルは殆どホップの香り付きです。

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六十分ほど煮るといい具合に煮詰まります。
煮終えた鍋を、氷水の中につけて、イーストが活動しやすい温度(エールだと20度位)に下げます。温度を一気に下げるのは、長時間ぬるいまま放っておくと、雑菌が繁殖しやすくなるのと、温度を急激に下げる事によって、ビールが曇る原因となる物質がどうにかなって、より澄んだビールが出来るとかなんやら。このあたりの記憶が曖昧です。

温度が下がれば発酵の為の器に移します。この際、ホップやらプロテインのくっついたドロッとしたのやらを出来るだけ移さないように心がけます。

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上についてるのはエアロックといって、発生した二酸化炭素は逃がすが、外部の空気は入るのを防ぐ構造になっています。雑菌対策です。
この中でビールは一週間から二週間ほど発酵し続けます。硫黄の香りがします。発酵の経過を見ながら、阿蘇山を想います。

発酵が終われば、二酸化炭素を発生させるため、少量の砂糖水と混ぜ、瓶につめます。瓶の中で一週間ほど過ごせば、ビールの出来上がりです。

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ペールエールです。
by surcredibility | 2014-10-10 01:37 |


アメリカ、貧乏、料理


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