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カンザスバーベキュー事情

独り暮らしの寂しさというのは、ボディーソープがきれた後シャンプーで体を洗う時に感じます。
誰にも咎められないため、数ヶ月間シャンプーで体を洗い続けました。
「体で匂いのきつい部位(陰部、脇)は毛が生えてるから合理的なのだ」と自分に言い聞かせながら。
知っていますか、シャンプーで洗った脇は、アグレッシブにいい香りを放つ事を。

まあ、それはいいとして、バーベキューの話です。

アメリカで言うバーベキューとは日本の「河原でバーベキュー」みたいなただ単に火で
グリルの上の具材を炙った料理ではありません。アメリカでグリル料理をバーベキューと呼んだら
怒られるか飽きられるかのどっちかです。

ではバーベキューとは何かというと、低温の長時間薫製で肉を調理する事です。
そのため家庭では結構難しいとされ、バーベキューはもっぱら外で食べるものとされています。
まあ、日本のラーメンなんかと同じで家庭でバーベキューを極めようとする人たちも結構いますが。

バーベキューはメンフィス、テキサス、カロライナのそれが有名ですが、
やはり一番知名度が高いのがカンザスです。

豚中心のカロライナやメンフィスと違い、カンザスは牛、豚、鶏、と結構節操がない事と、
甘くドロっとしたソースで知られています。

あとカンザスでもう一つ有名なのが肉の端っこを集めたバーントエンズです。
これはチャーシューやカステラの端っこと同じで、真っ黒に焼かれジューシーさは
あまりないものの、薫製肉独特の風味を最も強く味わえます。

ジャックスタックなどの例外を除いて、大抵のバーベキュー屋はカウンターで注文して
適当に椅子を探して食べるセルフサービス方式をとっています。

そして注文を受ける店員さんがかなり怖いです。
活気あふれる店内のため、注文の聞き方が問い、というよりは叫びです。
そのため、注文するまでにメニューをしっかり予習する事が必須です。
基本的な流れは、

↓注文は?
肉の種類を叫ぶ
↓他になにか頼む?
サイドの種類を叫ぶ
↓ブレッド・オア・バンズ?
欲しいパンの種類を叫ぶ
↓ドリンク?
飲み物を頼む

会計

というような感じです。食パンかバンズか、というのはサンドイッチを頼むと
聞かれる事が有ります。食パンを頼むのが王道、バンズは邪道とされています。
なので、できれば食パン(ブレッド)を頼みましょう。

ここ数年、カンザスシティに行く度に有名店を訪れバーベキューを食べてみました。
最近になってやっとどうにか「いい」「悪い」の基準が分かってきた気がします。

まずは最も知名度が高く、かつ店員さんも怖い Arthur Bryant's。

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バーントエンズです。ここのはかなり強くスモークされているので、
肉は固めで薫製の香りがかなり強いです。あらかじめソースがかけてあります。

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ここのもう一つの目玉メニュー、ビーフサンドです。ビーフの量が半端ないです。
持ち上げて食べるのは諦めて、解体してソースをかけながら食べたら結構うまくいきました。
脂が多めの肉がしっかりスモークの香りを吸収しています。
食べている最中はあまり強い印象を受けなかったのですが、後で思い出す度に好感度が何故か
上がっていきました。カンザスバーベキューの王道、という感じです。
脂っぽく肉っぽく野卑ととれるほどストレートにうまいです。丁寧さとかは、皆無。

で次は1995年とわりかし最近できた Oklahoma Joe's。
ここはアメリカの有名シェフ兼テレビタレント、アンソニー・ボーデインが作った
「死ぬまでに食べるべき料理トップ13」に入れられて一躍有名に。
最近出来たバーベキュー屋によくある傾向だと思うのですが、
古株の店に比べ、丁寧な感じがします。

まずはビーフブリスケットサンド:

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ぼーっとしていた時に「バンズオアブレッド!」と叫ばれたので、焦った末「バンズ!」
と返してしまいました。アーサーに比べ、脂少なめの肉ですが、薫製機の温度管理が
丁寧なのか肉はかなりしっとりしていながらスモークの香りもしっかりついています。
個人的にはアーサーの荒っぽさが好きですが、ジョーズのビーフの方が料理としての
完成度が高いように思います。

そしてこれがホグヘブンと呼ばれる豚スライスとソーセージのサンド:

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バーベキュー屋には必ずといっていいほどソーセージがあるのですが、際立ってうまいソーセージ
に会った事がありません。このサンドイッチも例外ではなかったのですが、
スモーキーな豚のアクセントになってかなりうまかったです。

でこれが豚、牛混合のスモーキンジョー

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甘じょっぱいソースをまとって出てきます。すてき。

あとジョーズはフライがめちゃめちゃうまいです。

後王道的バーベキューで有名な店でゲイツという店があるのですが、
味が結構微妙で失望したので、写真を撮っていません。
しかしここのソースはクミンの香りが強く結構癖があるので、
そのために根強いファンがいるようです。

てな訳でこれが王道的バーベキューの第一部。
毛色が少し違う店、知名度がさほどない店はまた今度紹介します。

てか慣れない事をして疲れたというのが本心です。
by surcredibility | 2013-01-13 09:27 | 外食


アメリカ、貧乏、料理


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